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2009年3月 1日 (日)

#89「漫画読者の品格」

漫画家は読者に漫画で情報を伝えます。
漫画に圧縮され込められたものを、
読者が適切に解凍し受け止めているかは、
実は読者に依存していて、
漫画家が如何に情報を込めても、
読者の力なしには伝わらないわけです。

それは漫画家のスキルが低いだけ、
そういう考え方もあるでしょう。
でも、そうでない考え方もあると思いません?

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コメント

数回前から興味深く聴かせていただいています。

「うしおととら」と「俺たちのフィールド」は僕の中でもフェイバリットマンガなので、今回は思わずコメントしてしまいました。

個人的な意見としては、マンガで泣ける、感動する、鳥肌が立つなどの感情の衝動は人生経験値ではなく、マンガ経験値の高さ比例すると思います。

マンガ経験値と言ってますが、マンガだけじゃなく、映画・小説・ゲーム等々、その他のエンターテイメントなものの中で、物語が意図的な構成と演出で展開されるものに触れている経験が多ければ多い程、感情の衝動は激しいのではないでしょうか。

自分の周りの人間でしか判断できませんが、人生経験が多い人でもマンガ経験値の低い人は、作者の意図する展開、演出を読み取れなかったりしますし、そもそもマンガの読み方がわからない人もいます。
逆にマンガ経験値が高い人からすれば、恋空なんかはあまりにもあざとすぎてシラケてしまうのではないでしょうか。

長々と書きましたが要は「目が肥えている人」ほど感情の衝動は激しいのではないだろうかと。
子供の頃に読んだマンガを今読むと昔より泣けるというのも、昔より目が肥えたからという気がします。
ただ、前提として作家が巧いストーリーテラーである必要がありますけど。

藤田和日郎と村枝賢一はストーリーテリングが抜群に巧いですよね。読者を上手く乗せてくれるし、酔わせてくれます。

投稿: サワダ | 2009年3月 2日 (月) 17時26分

コメントありがとうございます。ピエール手塚です。
確かにマンガリテラシーは必要ですね。
うちのじーさんとかはいくら人生経験豊富でも漫画では感動しなさそうですし。
人生経験の中には、漫画で感動したという経験も含まれていて、
前に感動した経験を反芻して積み上げて、
さらに何度も感動するとかそういう感じなのかもしれません。
物語にのめり込むほど感情移入力が上がるようなイメージで。

恋空とかは実は見てないのでよく分からないのですが、
好きな人はどうやらいるようで、けなす人もたくさんいて、
それは好きな人が目が肥えてないとかそういうのではなくて、
例えば少年漫画が王道的でありがちな展開でも、
感動できるようなものがたくさんあるように、
テンプレ化できるようなストーリーでも、けなしてる人には分からない、
何かしら情動に触れるような描写があったりするのかなーとか、
そういう風に思ったりとかしたりするんですよ。
やー、見てないので全然的外れなのかもしれないですが。

とりあえず、よく分からないものはよく分からないだけで、
自分が分かるだけの素養がないのかなーと思った方が、
何かと都合がいいような気がしています。
自分の好きな物をけなされたときの自己防衛としても。

藤田和日郎や村枝賢一は読んでるだけで体温上がる漫画を沢山描いてて、
本当に本当にいい漫画家だと思いますよ。定期的に読み返してます。

投稿: ピエール手塚 | 2009年3月 3日 (火) 00時48分

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